📝【症例報告】硬い路面でのランニングによるランナー膝(腸脛靭帯炎)|28歳女性の改善例
主訴:膝の外側の痛み、長時間立っていられない
28歳女性。日常的にランニングを習慣化しており、特にアスファルトなど硬い路面でのランニングが多いという生活背景がありました。走行距離を伸ばしていくうちに膝の外側に違和感が出現し、次第に長時間の立位姿勢でも痛みが出るように悪化。仕事にも影響が出始めたため来院されました。
来院時の症状
- 膝外側(腸脛靭帯)の鋭い痛み
- 長時間の立ち姿勢で痛みが増す
- ランニング後の外側の張り・違和感
- 股関節外側・大腿外側の筋緊張が強い
問診と動作チェックから、硬い路面の衝撃が蓄積し腸脛靭帯に過負荷がかかっている典型例でした。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)とは?
腸脛靭帯が膝の外側で大腿骨と擦れ合い、炎症を起こすことで発生します。ランニング初心者から上級者まで幅広く起こり、路面の硬さ・フォームの癖・筋バランスの偏り・脚の柔軟性低下などが主な誘因です。
当院での施術内容(厚めの専門解説)💆♀️💡
今回の症例では、痛みを取るだけでなく「衝撃に強い身体づくり」「腸脛靭帯への負担の軽減」を重視した施術を行いました。
- 手技療法:大腿外側〜臀部の筋膜リリース
腸脛靭帯単体ではなく、負担の原因となる大腿筋膜張筋・中臀筋・大臀筋など股関節まわりの筋緊張を丁寧にほぐしました。
これにより膝の外側にかかる摩擦・ストレスを軽減し、痛みの発生源を取り除きました。 - ストレッチ:柔軟性を高め負担を分散
腸脛靭帯・臀筋群・大腿外側の柔軟性を高めるストレッチを実施。
特にランナー膝は股関節外側筋の硬さが原因になりやすいため、患者様が自宅で継続しやすいストレッチも指導しました。 - 鍼治療:炎症と深部の緊張を緩和
圧痛の強い腸脛靭帯付着部や関連筋に刺鍼して、深部筋の緊張を解消。
鍼の鎮痛作用により即時的な痛みの軽減も見られました。
経過と結果📈
| 回数 | 経過内容 |
|---|---|
| 初回 | 膝外側の緊張が緩み、立位での痛みが軽減。 |
| 2回目 | 長時間の立ち仕事が楽に。ラン後の違和感も減少。 |
| 4回目 | ランニング中の外側痛がほぼ消失し、フォームも安定。 |
| 6回目 | 長時間立っても痛みなし。運動後の張りも改善。 |
考察(より深い専門的考察)
硬い路面でのランニングは膝関節への衝撃が大きく、腸脛靭帯炎の大きな発症要因となります。今回の症例では、特に股関節外側筋の柔軟性低下とランニングフォームにおける膝の安定力不足が痛みを生む根本原因と考えられました。
腸脛靭帯は大腿部から膝外側まで伸びる長い組織であり、症状の改善には膝だけでなく骨盤・股関節のバランス改善が不可欠です。
手技療法・ストレッチ・鍼治療を組み合わせることで、筋膜の癒着と緊張が解消され、膝の動きがスムーズになりました。
また、路面の硬さを考慮したシューズ選びや、ランニング頻度の調整も再発予防に大きく関与します。今回のように早期対応ができれば、痛みが慢性化する前に改善でき、スポーツライフをより快適に続けることが可能です。
患者様の声💬
「ストレッチの指導がとても役に立ちました。長時間立っていても痛くなくなり、仕事が楽になりました。」
