原因不明の左股関節痛—20代女性のケースと考えられる疾患

焼津市のやいま整骨院です。
今回は、20代女性の患者さんが抱える原因不明の左股関節痛についてご紹介します。
自宅で突然痛みが現れ、その後も改善しないため、当院にご来院されました。現在も施術を続けておりますが、ここでは考えられる疾患、治療法、鑑別についてまとめます。


症状の詳細

患者さんは、左側の股関節に鈍い痛みを感じており、特に歩行や階段の上り下り時に痛みが増すという症状を訴えています。また、長時間座ったり立ち続けたりすることで痛みが悪化することが確認されました。
腫れや発熱は見られませんが、動作時の不快感が持続している状態です。


考えられる疾患

  1. 臼蓋形成不全
    股関節の臼蓋(骨盤側のくぼみ)が正常な形をしていないため、股関節が不安定になり、痛みや関節の摩耗を引き起こす可能性があります。この疾患は特に若い女性に多く見られ、早期発見と適切な治療が重要です。
  2. 変形性股関節症
    関節の軟骨が徐々に摩耗し、骨同士が直接擦れることで痛みを引き起こす疾患です。初期段階では、軽度の痛みや違和感が見られることが多く、放置すると症状が悪化する恐れがあります。
  3. 股関節インピンジメント症候群
    股関節の骨が擦れ合うことによって痛みを感じる疾患で、動作制限を伴います。特に足を大きく動かす運動時に強い痛みを感じやすいのが特徴です。
  4. 梨状筋症候群
    梨状筋が坐骨神経を圧迫することで股関節や臀部に痛みが発生する状態です。股関節痛と勘違いされやすい疾患です。
  5. 滑液包炎
    股関節周囲にある滑液包の炎症が原因で、特に運動後に痛みが現れやすいのが特徴です。炎症によって股関節が腫れることもあります。

治療方法

現在、当院では以下の施術を行っています:

  1. 股関節周囲の筋肉調整
    筋肉や筋膜の緊張を和らげ、股関節の動きをスムーズにするための施術を行います。これにより、痛みの軽減と可動域の改善を目指しています。
  2. 関節モビライゼーション
    股関節の柔軟性を向上させるため、特定の関節操作を行い、関節の動きを正常な範囲内に戻す施術を行っています。
  3. 電気療法
    痛みを軽減し、炎症を抑えるために電気療法も併用しています。

鑑別疾患

  • 股関節唇損傷
    股関節内の軟骨組織である股関節唇が損傷すると、似たような症状が現れます。MRIなどの画像検査での確認が必要です。
  • 椎間板ヘルニア
    腰部の神経が圧迫されることで、股関節にも痛みが生じることがあります。股関節自体の異常と見分けるために、腰部の状態も確認が必要です。
  • 骨盤周囲の筋肉異常
    股関節痛は骨盤周囲の筋肉の緊張や損傷が原因で発生することもあります。特に梨状筋症候群や大腿四頭筋の緊張が考えられます。

現在も施術を続けており、患者さんの症状は少しずつ改善してきています。
股関節の痛みは、日常生活の質を大きく左右するため、早期の対応が大切です。今後も患者さんの状態を見守りながら、最適な治療法を提供していきます。

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