寒さが厳しくなるにつれて、ぎっくり腰で来院される患者さんが増えてきています。
今回の症例は、30代男性で、急に動けなくなり整骨院に駆け込まれたケースです。寒い時期に起こりやすいぎっくり腰の原因や対策についても触れながら、症例を詳しくご紹介します。
患者さんの状況
30代の男性で、普段はデスクワーク中心の生活を送られている方です。
仕事柄、長時間座りっぱなしになることが多く、運動不足を感じてはいたものの、特に体調に問題はなかったといいます。
しかし、ある日の朝、布団から起き上がろうとした瞬間、腰に鋭い痛みが走り、動くことができなくなりました。
奥様に支えられながら当院に来院されましたが、足を引きずるような状態で、歩行すら困難な様子でした。
「まさか自分がぎっくり腰になるとは思わなかった」と驚きながらも、痛みの強さと動けない不安を訴えられていました。
初診時の評価
痛みの程度を確認すると、腰部の中央からやや右側に強い痛みが集中していました。
姿勢を変えたり体をひねる動作でさらに痛みが悪化するため、ぎっくり腰(急性腰痛症)と診断しました。
原因として考えられるのは以下の点です:
- 寒さによる筋肉の硬直
冬の冷え込みで筋肉が収縮しやすくなり、柔軟性が低下している状態でした。 - 長時間の同じ姿勢
デスクワーク中心の生活で、腰への負担が蓄積していました。 - 突然の動き
布団から急に起き上がった際、硬直した筋肉に過剰な負荷がかかったことが直接の引き金となった可能性があります。
治療内容
まずは痛みを軽減し、可動域を広げることを最優先に施術を行いました。
- アイシング
炎症を抑えるため、腰部をアイシングして痛みを和らげました。 - 筋肉の調整
筋肉の緊張を解くため、腰周辺だけでなく、太ももや臀部の筋肉も丁寧にほぐしました。 - 骨盤矯正
腰痛の原因となる骨盤の歪みを調整し、腰部の負担を軽減しました。
施術後、痛みが少し和らぎ、歩行がスムーズになりました。
完全な回復には時間が必要ですが、適切なケアを続けることで再発リスクを軽減できます。
寒い季節にぎっくり腰が増える理由
寒い時期にぎっくり腰が増える理由として、以下の点が挙げられます:
- 冷えによる筋肉の緊張
- 運動不足で筋力が低下している状態
- 年末年始の忙しさで体のケアが後回しになりがち
寒さで血行が悪くなり、筋肉や関節が硬くなりやすいため、普段以上に注意が必要です。
特に、朝起きた直後や重い物を持ち上げる際は、十分な準備運動を心がけましょう。
今後のケアとアドバイス
患者さんには、自宅でのセルフケアと生活習慣の見直しをお願いしました。
- 温めるケア
痛みが落ち着いた後は、温かいタオルや入浴で筋肉を温め、血行を促進します。 - ストレッチ
朝晩に軽いストレッチを取り入れて、柔軟性を維持します。 - 適度な運動
ウォーキングや体幹を鍛える軽いエクササイズで、腰を支える筋力をつけます。
また、寒い日が続く季節には、防寒対策として腰を冷やさない工夫も重要です。
腹巻きや暖かいインナーを活用するだけでも、筋肉の硬直を防ぐ効果が期待できます。
まとめ
ぎっくり腰は突然起こり、日常生活に大きな支障を与えます。
特に寒い季節は筋肉が硬くなりやすいため、普段からの予防が欠かせません。
この男性のケースのように、早期に適切なケアを受けることで、痛みを軽減し、回復を早めることが可能です。
寒い日が続く時期、腰痛が気になる方はぜひお気軽にご相談ください。